近頃、切符で電車に乗ることがほとんどないので気にも留めなかったのですが、先日ふと自宅の最寄り駅の自動改札がICカード専用のタッチ式ばかりになっていることに気づきました。
改札前の床面に大きく「磁気乗車券はこちら」と黄色い矢印が貼られているのですが、切符でも通れる改札は5箇所あるうちのなんと1箇所だけ。通勤通学の込み合う時間帯など、切符ユーザーの方々はさぞかし不便を強いられていることでしょう。

ならば、ICカードを買えばよいといわれるかもしれませんが、たまにしか電車に乗らない人や遠方から来た人にとっては必ずしも便利ではないもの。そもそもICカードのデポジット(預かり金)制自体、ものすごく不便なシステムです。
以前、通勤定期の都合でPASMOからSuicaに切り替えようと、デポジットの払い戻しに行ったときのこと。カードを作るときに徴収される500円がそのまま返ってくるのかと思いきや、カードに210円以上残高が残っている場合は、手数料がかかるというではありませんか!残高210円未満の場合も手数料はかかりませんが、残高金額の払い戻しはされないとか。
「これって一体どういうこと???」と憤りを感じた私は、その後きっちりゼロ円にしてから払い戻しました。

ICカードを作るときは自動券売機でも簡単に作れるのにデポジットの払い戻しは窓口のみ、先の自動改札にしても、同じ乗車料金を払っているお客様に対して「あなたはここからしか出られません」という姿勢ってどうなのでしょうか。人様からお金をいただいてはじめて成り立つのが、商売というもの。自動化によって面と向かってお金を受け取ることがなくなるにつれ、もらう側の謙虚さも失われていくような気がしてなりません。

そこへ行くと直にお金受け取る商売は違います。年始めにお寺の境内で猿回し芸をやっていたのですが、芸の最中は人だかりができているものの、最後のご祝儀の段になるとパラパラと人が散っていく…。
ざるを持って奇特なお客さんからのご祝儀をありがたそうに受け取る芸人さんを見ながら、「お金をもらうって大変だなぁ…」とつくづく感じました。需要のバランスによる格差とはいえ、あまりの違いに商売の何たるかを改めて考えさせられます。

(渡辺)