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10月なかばに風邪をひき、いつもなら寝て治すところだけど口角炎がひどくなりクリニックへ行ったところ「胆石の疑い」で歌舞伎町にある総合病院へいった。
予約が取れた11月あたま、紹介状に添付されたエコー写真を見た医師が「飯島さん胆石ですね。見たところ1センチ~1.5センチくらいあり、治療方法は胆のうを切除する手術になります。」

入院!
手術!

動揺しつつも話は進み「さっそく今日から手術前のいろいろな検査を」。
「まずは血液検査、尿検査、X線撮影をやって帰ってください。来週から順次空きに予約を入れます。腹部超音波、心臓超音波、心電図、上下の内視鏡検査、MRI。あ、手術日の希望がありますか?」
・・・・。
何を言うべきかもわからず、入院日数や手術の所要時間などを質問しつつ、空気をかえてみる。
「内視鏡検査をやったことがないんですけど、胃と腸には自信がありますのでやらなくていいのですが」というと、一度もやったことがない方に大変驚かれ「それなら尚のこと、やっておきましょう!」という話に。くそー。

「胆石」といってもピンとくる人は少なく「あー激痛のやつね」といわれる程度。
人体は食べ物が胃で砕かれ腸へと流れるとき十二指腸でバッと消化液をかけるらしく、その消化液を池のように溜めている「袋」が胆嚢(たんのう)。この袋、石とは呼ぶけど消化液が入れ替わる水溜まりみたいなもので、そこに溜まった澱みのようなものが痛みの原因。この袋は唯一無くてもいい臓器なので切除が唯一にして最善、仮に先延ばしにしてもより悪くなるだけ。
気分はまな板の上の鯉、ですな。

MRI検査を経て翌日「来週の手術日がとれそうですよ」と医師と会話して内視鏡検査に入るも、その後「飯島さん、大変です。昨日のMRIに石が映ってないんです!」と言い出した。一緒に検査映像のモニタを見たけど無いものは無い。クリニックから預かったエコーしか見てないことに気づいて入院の前日にエコー検査を入れる。新人研修も兼ねたのか、二人の先生が交代で現れ、重厚なエコー診断となった。
(後で知ったが胆石は2種類あって、コレステロール性のものはエコーでしか確定診断できないらしい)

エコー検査後に主治医と面談。
医師:「飯島さん。やはり、胆石はありませんでした。」
私:「はぁ。やっぱり、ですか。」
医師:「ですので、手術も、もちろん明日の入院も、要りません。キャンセルでOKです」
私:「はぁ。無いのはありがたいですが、あの痛みと影はなんだったんでしょうか?」
医師:「それなんですよね~。。。排出されたか、映った影が違うものだったか。痛みはその後どうですか?」
私:「入院と手術のプレッシャーで頭がいっぱいでしたが、いわれてみればこの1週間ぐらい痛くないかもです。食べる量をすごーく減らしています」

素直に喜べなかったのは痛みがあったから。風邪で病院に行く前から右胸のすぐ下、肋骨のあたりがジーンと突っ張るような日がここ数ヶ月の間に何度かあった。初診の日に言われたのは「食べすぎには注意」。食事の度に胆汁が出るのは止められないので、何を食べるかよりも「食べ過ぎない」ことが重要。
言われてみれば、お腹いっぱい食べたとき無意識に右ろっ骨をさすっていたし、いつも就寝時に痛みがきた。直近のこの痛みも、祝事でお肉をたくさん食べたときだったし。

脂はもともと苦手で、サバの塩焼きを食べおえたあと気持ち悪くなって吐いたこともある。しかしオットは野菜炒めまでラードで作りたがる人で、頑張って日々お肉を一緒に食べ続けたけど、子供のころは「とんかつ」が出るとウンザリ。肉の脂身は残すし、肉も魚も「霜降り」なら要りません、といった具合。
唾液でかなり分解できる炭水化物は消化液をそんなに出す必要がないから胆石予防にいいらしい。
ゆっくり食べて、よく噛みなさいというのも、体の負担を軽減することにつながる。
近年、わたしは食事量が増えたことが「健啖家への途」と勝手に理解して喜んでいたが、体は音を上げていたということか。納得。
珍しく風邪で胃がやられたから、そのついでに胆嚢になにかあったとしても不思議じゃない。
食事量ができめんに右わき腹の痛みにつながる気がするので、アレルギーと同じく、腹八分目のいいセンサーを手に入れたと思うようにしよう。

世間の大食いを改めて見ると、あれすごいね。眺めてるだけで吐きそう。。胃の痛みだと思い込んで検査されないまま胆石の発作(激痛)で救急車に乗ったり、死亡したりする人は結構多いらしい。食べ過ぎで死にたくない。考えようによってはシアワセな人生かもしれないけど。

コロナの波が落ち着いてたからと入院や手術の準備を慌てて並行したせいで、病院へ何度も行った。手術前説明、入院前説明、麻酔医のヒアリング。。。消化器外科の先生はとても誠実な人だったけど、麻酔医のおばさん、水商売みたいな愛想のよさ(悪さ)でほんとに感じ悪かった。女医って、ハズレが多い私。

 

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