2014年は後半に向けてすごく忙しく、いったいなんでだろうと毎晩思いながら帰る日が続いた。
仕事の合間や移動中などに「これはブログに書こう」とぽんぽん浮かぶのだけれど、ほとんど形にならずに終わってしまった。
2014年は、それまでの数年間で私が良いと思っていたものが、実はそうではないと気づくことが多かった。
ひとつはホットヨガ。いいところに目をつけたビジネスだなとずっと思っていたし、実際に健康な身体づくりへの効果を自分で実感していた。
しかし彼らも事業を広げるためには人材不足なのか、はたまたニーズがあったのか、いまやレッスンの内容よりも物販に力を入れているようで、ストイックに体作りをしたいと思っていた私のニーズとは違う空気が流れている。結局、足が遠のいてしまった。(→他人の時間を大切に)
もうひとつはカーシェアリング。契約してアカウントをもらうと、近くのパーキングや空いている時間をネットで検索できて、予約できれば実車→返却をセルフで行なうというもの。駐車場代もかからないし、ガス代もかからない。法人契約すれば月額基本料もかからず、都合のいいときに運転できる車が手に入るので、パーキングさえ近くにあれば便利なのよと知人にもかなり勧めていた。
ところがいざ使ってみると、他ユーザーのマナーがかなり悪い。シートにお菓子の食べかすがちらばってたり、後部座席のヘッドレストが全部のび上がったままだったり、タバコのにおいがひどいこともあった。あと給油。どこのスタンドでも使える給油カードが車にセットされているのに、残りわずかのまま返却する人が多く、乗るたびに先ずは給油ということも多くて不便だった。しかも先日運転中にサイドミラーが突然落ちた。なんだかわからないまま連絡すると警察を呼ぶように指示され、衝突相手もおらず傷もないのに「原因不明の車輌事故」になり、現場で事故処理対応を行い、本来の用を果たさないままレッカーによって返却させられ、後日「営業保障」の名目で5万円の請求がきた。これが私個人の過失にあたるのか疑問だったので異議申し立てを行った結果、修理実費を負担することになったが、つまり車輌の運行前点検は利用者側の責任ということである。
気軽に借りた30分や1時間に世間の人はどれだけ真剣に車輌点検を行なうのか。そもそも車輌のコンディションは誰が把握しているのか。その責任は誰が負うのか。事故時の立ち話で警察にも「そのサービス、運行前点検はどうしてるんですか?」と聞かれたが、カーシェアリング会社にはその想定はおろか、事故処理の保険会社との連絡まで私に来るありさまで、私といえば、徹頭徹尾コールセンターとの会話しかさせてもらえず「担当者」も出てこなかった。
結構テキトーな商売なんだな、というのが一連に携わったホンネである。
どちらもビジネスの芽としてはいいサービスだと今でも思うが、運用時の想定が足りないのだと思う。
私が本当に考えさせられたのはここから、だ。
裏を返せばこれは私たちにとっても課題である。われわれのビジネスも受注して納品しない限りはこの世に存在しないもの。インフラ整備ならともかく受託制作業で納品後のことまでひとつひとつ想定しにくいことは体験的にわかる。だからといって「できなくても仕方ないネー」といってくれる顧客なんぞはこの世にいない。
仕事に慣れると、勝手に自分のゴールを作ってしまう。これでいいと思いこんで、サービスイン(納品・公開)という“結末”にだけ気を取られる。完成度を高めるための自問自答を放棄し、馴れ合いに甘える。
仕事に必要なのは想像力だけでない。(もちろん想像力がないのは論外だが)想像力を継続できるやわらかな筋力が必要なのだ。老化でゆるやかに落ちるが、緊張感によってささえることができ、かつ、鍛錬とストレッチが常に必要なもの。そんなイメージ。
アイデアパンチは、スピードと細やかな配慮が、提供サービスの根底にある。これが看板であり、原点だ。
あれこれやりますと言ってた割に、フタをあけたら、頭はガチガチ・動きは悪い担当者が出て「結構テキトーな商売なんだな」などと思われることのないよう、11年目のオゴリを捨て、褌を締めなおして自分に厳しく取り組む2015年と考えています。
皆様、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます!
(飯島)