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私の習い事先からアンケートの依頼があった。
アンケートというのは、実はアンサーよりも投げかけるクエスチョン(質問のし方)の方が結果を左右することも多くて、ヒアリングの参考になる。また質問設計が個性的であれば、質問を立てた人の頭の中をのぞくようで想像が膨らんだりして、かなり興味深い。若い人達が集まる習い事だし、よし、ひとつ答えてみよう、そんな気持ちでざっと目を通してみた。

ところがトンデモ、である。
自分が通っている教室を選び、気に入っているインストラクターの氏名をプルダウンメニューから1名選ぶ。
選んだインストラクターと私の間に起きた「感動体験」をフリーテキストで書く。
インストラクターの励みになるから、どんな小さなことでもいいから書いてほしい、と書き添えてある。

これを読んで唸ってしまった。
「うーん。妙な時代になったなぁ」

顧客満足を達成するのはどんな商売でも難しい。だからこそサービス向上のために不満点を聞くのが常套の手法だし、時代が変わっても必要なことだと思う。
でも「誰が良いか」となると人気投票じゃないか(ちなみに嫌な人は聞かれていない)。腑に落ちない。
褒め言葉は確かに励みになる。ましてやお客様に褒めてもらえるならば、上司より嬉しい場合だってあるかもしれない。昨今では、わざわざ褒め言葉を投げてくれるようなおせっかいな人は昔より減っているかもしれず、そこまで考えれば、社として褒めてもらえる場面を提供してあげよう!と考えたのかもしれない・・・。となると、これは誰のためのもの?
この人気投票が社員のモチベーションアップのためだとしたら、人事考課を他人任せにした企業の怠慢に思える。顧客の時間と労力を使うことをちょっと軽く考えすぎじゃないか。

最近、他人の手を煩わすことに無頓着な人が増えている。
ちょっとしたお金の節約や、コミュニケーションの手間を惜しむのも、場合によってはどうかと思うが、そういう人に限って、その作業や手続きは自分じゃない第三者に強いる。壊れない文房具を探してくれと依頼されたことがあったが、まぁ自分の時間は惜しいけど、他人の時間はどうでもいいのだろう。図々しさにも程があるだろうに、でもそういう人が増えたのも事実だ。

加えて「感動体験」という安っぽさもひっかかった。
人が「感動する」ということは、単に嬉しい、楽しい、面白いといった気分を超えた「心震える何か」だと思うけれど、サービスの提供者が顧客に「感動したか」を問うのは、芝居や映画のプロデュースなどは別として、そのくらいのものを提供していますよ、という自負が彼らにあるのだろう。それは顧客側から見ると不遜に思えるのだが、今は不遜に思われることを恥と思う日本人っているんだろうか。

こうして考えるうちに、AKBよろしく選挙気分で人気投票でもやったのかなと思えてきた。
そう思うと、このコラムの全体がすご~くくだらないことのように思えてきた。

くだらないついでに瑣末なことをもうひとつ。
このアンケート、Android4.2スマホの標準ブラウザでは、プルダウンが表示されなかった。感動体験はないが常日頃から不満に思うことはあったので文章にまとめたが、どうやってもエラーになり送れず、この時間とせっかくの意見が空気と消えて無駄になるのかという恐れも手伝って「ブラウザ」に気がつくまで小一時間かかった。
フォーム作りも弊社の業務範疇だから、途中から気持ちも変わって仕事のように(意地になって)送ってやった(笑)が、普通の人はコレに気づくのだろうか。良かれと思って回答にトライして、不愉快になって、黙って止めた人も多いんじゃないだろうか。

ま、顧客の手間を惜しまない企業だから、動作環境なんかどうでもいいんだろうな。
(これって皮肉なんだけど、皮肉だって分かる人、どのくらいいるのかな)

(飯島)

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