弊社では、RAID6のファイルサーバーをマスター＆スレーブの二台構成で用意して、レプリケーションさせデータを管理していました。しかしPCも古くなってきたし、スマホからログインできるものに買い替えたいな～と思って色々調べていたところ、既存の環境はそこそこ高級品だと逆に自覚する結果に。
たしかにまぁ全く壊れないし、データの破損も一切ない。読み書きの頻度も生かさず殺さず使えてきている。棄てるにはちょっと時期尚早かなと思い直し、レプリケーションを止め、スレーブマシンを別に移動させることに。そこで内部ネットワークを一から構築しなおして、なんとか中のデータを生かしたまま、セットアップまで自分でできました。やったぜ～！イヒヒ。
創業以来ローカルネットワーク系はいつも優秀な友人に助けてもらっていました。こればかりはプロか素人かという問題は二の次で、知識がないと無理。折に触れて丸ごとお願いしてましたが今回から自己チャレンジです。点の知識が一本の線になるよう根気よく答えてもらえたおかげですけど、喜びのあまりバックアップをとっていない一部の古いデータをゴキゲンに棄ててしまいました。まあいっか。捨てちまったものは仕方がない。。せっかくだから思い切って忘れることにしよう。。
時を同じくして顧客からマシンにログインできずお困りの相談がきました。会社が貸与した環境を使用者個人がカスタマイズしてしまい、本人不在でお手上げ、という話。これは最もありがちな大きな「リスク」の一つですよね。大手企業はシステムに大金をつぎ込んでセキュリティ対策をしているので、システム部の社員といえども全く関与していない、知らない、というのはよくある話。でも中小企業はそうはいかないので、知恵と運用ルールで勝負です。
わが社のシステム担当は事実上私なので、参考までにざっとご紹介します。
社員のログイン情報はすべて管理者（私）が決め一元管理、メールパスワードも含めて個人での変更禁止です。組織からの貸与品だけれども個人で使っているPCをふだん勝手に見るような時間も興味もないので、と信用＆納得してもらいます。外部との情報共有はメーリングリストで管理します。
いっぽう仕事のデータを自宅のメールに送ったり、個人利用のクラウドに業務データを置くことや、持ち帰ることも原則禁止です。業務に関する情報は全て未公開のものなので守秘義務の対象です。外部から送られてきたデータは受領者が社内共有サーバーにまず保存（素材データ、加工編集データ、完成品データ、外部からの支給データなど）。保存先もきっちりルールがあります。
各個人のPCに保存されるのは「ここ数日で進行中の、自分で作成しているデータの途中経過」しか入っていない状態を常に維持します。タイムスタンプも判断に使うので、無意味な上書きも禁止です。この便利さに気づかない新人は「ルールに身体が慣れるまでは共有領域を触らせない」ようにします。
これでデータ障害へのレスキューも、バックアップもファイルサーバーだけを守ればOKで管理も楽です。弊社は10年前にもらったファイルでも、社内スタッフであればすぐ特定できます。
肝心なのは「仕事とプライベートの線を（自覚的に）引く」ことの通底です。
それを理解してもらうために雇用契約時にすべて説明し、日々の会話でもその都度伝えます。うちは残業禁止、仕事を自宅に持ち帰るのも禁止。オフィスの鍵は持たせますが、許可なく休日出勤するのも禁止です。納期直前でどうしても忙しいときは終電まで働いてもらったこともありましたが、ほとんどが女性だったから一人で帰すのがかえって心配で、家についたらメッセージを入れてもらったりしたことも。普段は17：30終業ですが18時台にはみんな帰宅していました（弊社の業務時間は7.5時間）。事務所の移転ですら平日にやりました。
データをいじるだけが仕事ではなく、自分の頭の中を整理したり、あれこれ考えたりする時間が大切なのです。時間と道具に振り回されない環境に身を置くことは大切なトレーニングで、仕事を覚える第一歩でもあります。
でも、こうして思い起こすとこまごまと面倒なことも多かったのに、説明すればわかってくれた人ばかりでした。うちは社員運がよかったなぁ～。
参考情報：
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