ニュースで仰天するばかりの日々です。
コロナ対策の専門家会議の議事録が無いことには正しい根拠があるそうですが、その根拠たる制度については、しかるべき職務の方が責任を賭して考えるべきことですし、社会には「役割分担」があるものですからここでは触れません。それよりも、のうのうと官房長官が述べる理由があまりにもお粗末でした。
「構成員の専門家に自由かつ率直にご議論をいただくため」だそうです。
記録に残さず、匿名のほうが、好きなことが言える、ということですね。偶然にも似たような話を思い出します。先日、テレビ番組の発言を理由に匿名による誹謗中傷を苦にして亡くなられた若い女性のことで、心象としては同じことです。「自由かつ率直」とは「好き勝手に無責任なことが言える」ということ？
匿名だから言えること、匿名じゃないから言えないこと、その違いはあって当然ですが、それはあくまでも手の届く範囲での人間関係においての話じゃないでしょうか。
たとえば、ゴミを分別しない人に面と向かって苦情を言いにくい、とかね。円滑な人間関係の維持のために匿名の価値は理解できます。
ただ広い世間中でいえば、むしろ逆じゃないでしょうか。「誰がのべたか」によって受け止める側の解釈が変わる方が普通です。有名料理店のシェフにプログラムの書き方は聞かないし、校長先生に低温調理のコツは聞かないし。どのような経験を持った人の視点による発言か、をみんなしぜんと見ていると思います。少なくとも私は。
「誠意をもって説明します」という連呼は中身がなく詭弁です。詭弁を弄する人は日本国内に限らず世の中に山ほどいますが、それが首相であることに問題があって、その人が運営するチームに何の能力を認めて国のかじ取りを任せなければならないのか、甚だ疑問に感じる今日このごろです。
