この国はマネジメントが機能していない、と日々感じている。
新型コロナで仕事の予定がキャンセルになったり、世間ではお客が減って商売が立ち行かない不安が広がった。政治や報道は「給付金」と「減税」で救済措置を、と盛り上がってるようだ。日本にはほかの選択肢を出せる知恵を持った人はもう居ないの？というのが一番の絶望に思える。
政府も、好景気のにおいが漂ってるときは副業を勧めたり、希望退職を募ったり、就業時間を減らすことを焚きつけておきながら、会社員に比べてフリーランスは給付金を半額にした根拠を誰も説明できないらしい。フリーターとフリーランスは違うし、バカヤロ―とも思うけど、個人的な怒りはひとまずしまう。そして思う。「給付」ってそんなに素晴らしい手段なのだろうか。もらわないよりは、あった方がマシという、もらう側の理屈はわかる。でも8千円もらうより勤め先が潰れてほしくない方がみんな優先じゃない？予定してた仕事は納品したいよね。イベントや人が集まる前提の業種や商売が中止続きで大変なのだから、国民全員にばら撒くのではなく、要件を整理し対象となる業種・業態を絞り、少しでも仕事を止めないための補助が最もありがたいのではないだろうか。仕事が延期ならその間の運転資金を、中止なら人件費も含めたコストの保証をフォローしてほしい。国や自治体はこういう非常時こそ頑張って存在感を出してほしい。
不愉快なのは、もともと仕事がない自称フリーランスや自称会社経営者をどさくさに紛れて助けてしまいそうなのを一方的にけん制されている感じなところ。そんなのダメに決まってる。諦めることも事業に必要なセンスだから、給付なんかでごまかしてほしくない。この機に乗じて給料を払わなかったり、解雇などで人員整理をするような会社も、それこそ労働基準局なのかハローワークなのかが頑張って、時間がかかっても選別してペナルティを与えるべきだ。そのための存在なんだし、労災保険料や雇用保険料は事業者も負担してるんだし！みんながちゃんと「自分の仕事」をしてほしい。
新入社員の内定取り消しもひどすぎる。それも中小企業に多いようだけど、ちゃんと考えて採用活動してるんだろうか。一度社員を雇うと、どんな人であっても簡単にクビにはできないのは当たり前なのに（※もちろん、制度として解雇の手段は存在します）。
今の若い人たちは学生ローンが1千万円あるのもザラらしい。ひどい。ひどすぎて、さらに暗澹たる気持ちになる。私も16年会社を経営してのべ3千万円以上の融資を受けたけど返済は大変。20歳で百万単位の借金なんて無理だよ、返せないよ。経済に参加すればこの意味がわかるはず。
安倍首相が「大切な子供たちの未来を」って心にもないことをこれ見よがしに言い、未成年のうちから借金背負わせて、採用後にパンデミックだからと入社させずに切る国、日本。もう日本はモノづくりの国ではなく、でたらめな使い捨て消費の国ね。だから「消費税を安く戻して消費を喚起せよ」っていうんだろうけど、この局面で「買うもの」なんてありますかね？「買う」以外にやることないから、マスクもトイレットペーパーも買い占められ転売される。これじゃあ優秀な人ほど国外へ行っちゃうよ。
若い人はがんばって、人を見る目、企業を見る目を磨いて、意味を問うて生きてほしい。それが自分のためだから。付き合う人、経験を積む環境、仕事の内容、を選んでほしい。
今の若い人たちに対しても腹の立つことはあるけれど、その前にやはり大人が姿勢を正さないと。どこの会社も役員は数人居るんだから、彼らの役員報酬から少しずつ削れば新卒の1年分ぐらいのお金は作れるでしょうに。日産のドタバタを見ていても感じたことだけれど、日本の会社社長は大半が従業員出身か二世のようだから、それもダメなんだろうな。無力感に襲われるのは若い人だけじゃないよ。
