私が全幅の信頼を置くフードカメラマン、チバ君の名言は、かつての撮影現場でこそっと漏れたひと言。
「イイジマさん。おいしいものは、ちゃんとおいしそうに映るんですよ。」
「そして、まずいものはどんなに頑張ってあれこれ工夫しても、残念ながらそれなりにしか映らないもんです」
うまいとかまずいとかは本来、主観的なものだから、なかなか大っぴらにも言いにくいうえに、ごたくを並べ出すとつまらない話になる。けれどもこれ、あたってる。これはもう「そういうものだ」としか説明できないけれど、じっさいハズレない。ほぼ、そのとおりなのだ。
私もそれ以来、食品メーカーのレシピサイトはもちろん、ちょっとしたレシピ検索でも、もちろん見知らぬ普通の方のお料理でも(こちらの方が結果は顕著かも)、必ず最後は写真で決めることにしている。そして自分の料理が大した写真じゃないときは、嘘は付けないもんだと内心ため息をついている。(微妙な違いになると、写真を見るプロの目に私も変わるけど)
先日、大量収獲した私の無農薬・有機栽培畑で採れた「腕のようなキュウリ」で試したところ、われながら「なんとまぁ。」格段においしそうに映っていた。取り切れなかったタネまでおいしそうに見える。それに比べ、最初の塩もみ野菜の写真は・・・。
レシピは同じ、作ってる人間も同じワタシ。なので遠慮なく違いを比べられるが、市販のきゅうりとではこうも違うものか。。最初の写真だっておいしかったし、アップした当時は我ながらおいしそうだと思っていたのに、、、。
ついでに友人のお母様にご協力いただきぬか漬けにしてもらう。
これも畑で採れた40センチ超の特太きゅうりを、タネも取らずにそのまま漬けて、ドスンドスンと厚めの輪切りにしたもの。
でも、みずみずしくて、考え事をしながら食べていると気づかないぐらいのやさしい歯触り。泣けるほどうまかった。