初めて見たのは、おそらくもう10年以上前だと思う。まだ母が健在で、年に数回の帰省ではマイレージを貯めるためにANAに載っていた。
離陸すると、やおら機内誌を手に取ってこの企画を読むのが楽しみだったし、帰省が月をまたいだりすると、行きと帰りで2号分読めてお得だと喜んでいた。

それにしても、他人のおべんとうとは、こんなにもいろんな想像をかきたててくれるのか。書かれているコラムは、毎日の家庭の様子や家族の話、職場の昼休憩の説明など様々だけれど、とにかくどれもおいしそうだった。

学生の頃から弁当箱に詰めるのは得意技だったし、おせちをお重箱に詰めるのは私の仕事だった。いまでも、手で握るおにぎりが家族のものじゃなくてもあまり気にならない。おかげでこの本にすっかり触発されてしまい、当時「手作りランチの日」を火曜日と決めて、社員みんなでおべんとうを持参して写真を撮り、コメントと一緒にこのブログにアップしていた。

当時から食に関する仕事は既に多かったし、オフィスは新宿タカシマヤの並び。創業したてでみんなには安月給の後ろめたさもあったから、これなら外食に出なくてもいい日をつくれるし、写真を撮る練習にもなるしね、ぐらいに軽く考えていた。しかしいざ初めて見ると、その情報量の多さに衝撃を受けた。おべんとうとは、おかずとごはんの種類のモンダイではなかった。さらにいえば、どのような弁当箱を使い、どれだけの量を詰めるかまでも含このめれば、「その人そのもの」がそこに表現されるといってもいい。人それぞれに千差万別であり、みんな面倒くさそうなことを言う割には他人の発見を楽しんでいたように思う。私もかなり面白かった。

好きが高じたこともあり当時はオットの分も一緒に作って持たせていた。でも彼はおかずの味が混ざるのも、冷めたごはんも好きじゃないようで、しかも梅干しや漬物が嫌いなこともあり、全く喜んでくれずにつまらないので、はやばやと作るのを止めてしまった。漬物や梅干しも好きだし、味が混ざったり、冷めて味が変わったりするのも楽しみのひとつよ!と思う私とはまったく噛み合わない。でも、おべんとうって一人分作るのは結構大変なんだよね。

それでも周期的におべんとうを思い出すので、昨年、思い切って曲げわっぱの弁当箱を買った。お弁当はみっちり詰めて動かないようにするのがコツなのだが、ちょうど食が細くなる「お年頃」のタイミングだったようで、あのお弁当箱ではお腹がいっぱいになってしまう。中サイズではなく、やはり一瞬迷った小さいサイズの方を買えばよかった。でも涼しくなったら、また復活させようかな。。。

本は2冊目まで買いましたが、シリーズはまだ続いていて単行本も増えているようです。

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おべんとうの時間