7月の収穫から始めた畑は、秋冬シーズンへ突入。
夏の収穫物をひととおり抜いたあと、土を耕し肥料を混ぜながら畝を数週間休ませた。ここで牛糞を発酵させた堆肥のお世話になり、牛さんの恩恵を実感する。
野菜のベッドになる土の栄養には堆肥を、茎や葉の成長には油かすを、実が生りだすと鶏糞を与えてきた。土はマルチと呼ばれる黒いビニールで覆って、いざ植える時は穴を開ける。土の中に手を入れると温度が上がっていて芯までホカホカ、とても気持ちがいい。
種の大きさに合わせて蒔く「深さ」を変えるものらしいけれど、そんな微妙な加減ができるほどのセンスはまだ無し。おかげで、ややまだらに発芽したのが下の写真。土づくりの段階でまんべんなく肥料を混ぜ込んでいないと成長にばらつきが出るけれど、このくらいではまだわからない。それ以前にどの列に何を植えたか忘れてしまった。よその畑には、ちゃんと植えたモノの名札をさしてる方もいらして感心。こうして「ちょっと先を読む力」が仕事に役立つんだね!
大根はスペースに4本植えられるので、2本は総太り大根、もう2本は聖護院大根を植えた。種は4つずつ蒔いて育ちのいいやつを残していくんだけど、ケチ根性を発揮して間引きを惜しむと、どれもソコソコにしか育たないという残念な結果が待っている。「損して徳取れ」というのは当たっている。とはいえ間引き菜も食べるとかなりおいしいので、損というほどでもないけれど。大根は土を丁寧に細かく作っておかないと、土中で伸びる成長過程で石や土の塊などにあたったら、そこから二股に分かれてしまうらしい。オットはかなりていねいにチマチマと土づくりをしていたけれど、セクシー大根になるかどうかは収獲時のお楽しみ!
上の写真から約2週間経ったのが下の写真。もっしゃもしゃに成長中。
畑へ通うのは週に1回ペース。なので、台風24号の爪痕を見に行かねばと思ってる矢先に25号がやってくる。
ピーマンがそろそろ終わるので3連休は片付けになるかな。天気が良ければ土づくりに取りかかりたいところだけど・・・・。
こうして畑をかじってみると、農業もつくづく頭と身体を使う商売なのだと感じる。惜しまず世話をすれば収獲で返ってくるし、暑い寒いと言っていても種まきに最適な時期は変わらない。季節を逃さず、言われたとおりにやるのが精いっぱい。夏のきゅうりは脇芽かきがうまくやれずにツルが育ちすぎてしまい、いくつかの大きなきゅうりがツルにあたって曲がってしまった。
ある日、まだ実が生っていて抜くのが惜しいからと、次の野菜は予定と違う場所に植え付けたいと何度も言い張る女性がいた。畑には連作障害というものがあり、同じ科のものを続けて植えると土に負担がかかり育たないから、限られた狭い土地を1年間でどう使うかに知恵を要する。ひとたび自己都合で計画から脱線すると、その次の新しい季節が巡ってきた時に植えられるモノの選択肢が減るかもしれず、止めた方がいいとていねいに諭されていたが「もったいない」「合理的ではない」「てっとり早い」と言い続けていて、見苦しいというか、こちらが恥ずかしくなった。都会人の言葉になんと説得力のないことよ。
こういうのを「一文おしみの百知らず」っていうのかな。