アイデアパンチは11期目に入り、10周年。
地下鉄に乗ると、東京メトロが10周年企画をあれこれPRしていて「なんだ、ウチと同期じゃんか」などと思ってる。
創業5周年のお祝いでも仕事仲間に桃を配った。
友人が帰省したご縁で知り合った、福島の伊達農園さんである。
大きくて丸くて、みずみずしくて、あまい。
「旨い」というのは実にわかりやすいし、言葉も文化も超える力を持つ。でもどこまでも上には上がいる。
「見るからにうまそう」というのは当たっている。
私が信頼するカメラマンは「旨い料理はちゃんと美味しそうに映る」という。
逆もありで、美味とは言いにくい、まぁまずい料理?は、客観的においしそうに見えない。というか、まずそう?ともいうか、食べたいと思わないというか、、、まぁそんな感じに映ってしまう。
私たちのモノづくりの仕事は、頼まれてから考えても遅いことがほとんど。最低限の予備知識として、常にアンテナを張って世の中の傾向と対策を把握しておく必要がある。そこに気が回るから、依頼が来ても思考の起点から悩まずに済む。
美味しい桃をつくろうとしたら土にいきつくらしいし、いい土は食べられるという話も聞く。
日照や温度、雨や風の力も毎年のひとつひとつの努力として大切だけれど、運もある。でも、土がよいところには底力がある。会社はつまり土作り。だれのどんな仕事でもきっと同じで、ベースづくりが大事なんだと思う。
アイデアパンチが考えるいい仕事の「質の高さ」と、それに応えてくれている仲間への「感謝の気持ち」は、この桃の「美味しさ」が伝えてくれるだろうと思う。
桃には魔よけの効果があるらしい。5年前に桃を送ったときはそういうメッセージを添えた。
この5年間に震災が起きて、私個人的には母を見送り、仕事仲間を見送り、オフィスを移転した。
悲しいことが続いたけれど、時間が癒してくれることを励みに頑張ってきた。5年は長い、そう思っていたけれど、まだ福島では放射性物質の調査を継続しており「基準値を下回っています」というお知らせをいただき、あっと思った。自分の平和ボケに深く恥じ入り、もういちどこの桃を選んだ。
10周年。
これからもいい仲間と一緒に、いいモノを作って行きたい、その覚悟と気合に燃えております。
アイデアパンチをこれからも宜しくお願いいたします。