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若いころ、他人のアドバイスはうっとうしい!と思っていた。そのアドバイスの6割は「オレ自慢」がちりばめられた、彼らの辿ってきた出来事をなぞるだけなので、聞かされるうっとうしさの方が強い。アドバイスという名の体験記が、よく聞けばバブル時代のことだったりするとなおさら、自分の悩みの根底にあるデフレスパイラルテイストとはかけ離れていて腹が立つことすらあった。

あれから時代も進み、気づけば初めて聞く新しいことや、従来の価値観では計り知れないことがかなり多くなった。webの仕事をしていると、ほぼ毎日のように過去の価値観を強制終了させないと仕事が進まなくなった。毎回いちど死んだ気になって気持ちを再起動している。おかげで他人のアドバイスを聞く機会がさらに激減した。私の周囲には答えを持つ人がいないし、そもそも私の疑問の意味を理解できる人も少数派だ。34歳で会社を興して15年経った女の疑問なんて、他人に答えを請うようなものはほとんどない。

ところがこんな日常でも無性にアドバイスが欲しい時がある。今回、このブログのリニューアルをすべて一人でやってみた。我ながら「やればできるじゃん!」と自分をほめたい。私はサイトの作りやプログラム言語の使い分け、サーバー環境などについては「概論」の知識しか持たないけれど、立ち位置はほぼフロントエンドエンジニアと同じで、実際クライアントや素人さんへの説明に困るようなことはほとんどない。

だからこそ、いざ分からないことに直面するとかなり困った。私の疑問を解決できるのはモノホンの技術者しかいない。しかし彼らとの会話には随所に技術用語が入ってくるので、日本語と言えども意味が分からないことも多く、聞いてるこっちには外国語みたいなもん。例えばパソコンの使い方を聞かれて「Cドライブにね・・・」と説明し始めたところ「アーもう!そういう難しい話が聞きたいんじゃないの!」とキレられて「え?これでダメ?」と苦笑いするしかなかった経験をお持ちの方も多いと思う。あの逆ギレする側の気持ちが唯一理解できる瞬間だ。

技術者は自分で勉強してプログラムを自ら書くのが仕事だから、教えることは得意じゃないし仕事でもない。けれども理論で心を整理できる人だから、みんな気が長くて親切で、尋ねた限りいつまでも答えてくれる。長々と自分の要領を得ない質問で拘束するのは申し訳ないからと、なるべく短くしたつもりだけれども込み入った、たどたどしい質問にも、美しいほど簡潔な言葉が返ってくる。答えが簡潔で短かすぎるあまり絶句してしまうことすらある。これは誰を相手に何を聞いてもおしなべてそうだ。ここで人間のタイプが違う職業であることを実感する。

これからは、いろんな人の目の前にある技術的に困った現象を、適切な技術者に相談するコーディネーターが必要になるのだろう。きっと私もそういう役割を担っていくような気がする。最近では、こちらの置かれた状況をヒアリングできるようなコミュニケーション力に長けた技術者も増えてきているので、頼もしいし、ものすごい進歩だと思う。 でもいまの困ってる人の大半が、かつての「オレ様アドバイス」しかできなかった先輩世代なので、正直なところあんまり関わりたくない。彼らが我が身を振り返って気づき反省する時間すら与えられないスピードで、世界はこれからもさらに変わっていく。

若い世代はオレ様世代の疑問の意味すら理解できないだろうから、私よりも相手にしなくなるのは火を見るよりも明らか。 私は、技術者に相手してもらえるように勉強しながら、オレ様世代にマウントされるという運命世代なのかなと思う。この板挟みから解放されたいと願ってるんだけど、それは職業病なんだよ、と片づけた方がいいんだろうか。誰か教えて。

 

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