パンデミックの3年間で読んだ本を少しずつ紹介しようと思っています。読んだ順番は正確には忘れちゃったんだけど、おおまかにジャンルと時系列を寄せながらいきます。
緊急事態宣言あたりのころ。なんとなくだけど、頭を冷やして落ち着かねば、と思って、あんまり心を揺さぶらないであろうテキトーな本をチョイス。
世界政治 裏側の真実(副島隆彦×佐藤優) amazon→
トランプがアメリカの大統領になったとき、真っ先に安倍首相に会ったのが不思議だった。
安倍さんが逢いに行ったことではなく、トランプがなぜ断らなかったのかを。ポリシーのない人ほど箔や格みたいなものにこだわるので「大統領になって最初に逢う公人を誰にするか」は、彼にとってとっかかりやすくて、しかもウキウキと心躍るお悩みテーマだったと思う。
ほかのエントリーが少なかったからかもしれないけど、それにしても日本の総理なんて地味だよなぁ。私がトランプなら後回しにするし、断るテキトーな理由はたくさんあるのに。そう思ってこれを読んだら、某宗教団体幹部の仲介とあって納得した。
陰謀論って言葉が流行っていたけど、下世話なゴシップのついでに聞こえてくる憶測は「陰謀」ではないし、そもそも重要なことは日本の市民に聞こえてくるはずがない。そういう意味で、世界はほんの一部の人たちの利権で回ってるとは思ってる。民主主義をも動かせる世界。人種、宗教、差別、エネルギー資源、武器。。これらの思惑が動かす膨大なアングラマネーの力を、地上げで名を成したトランプおじさんはよくわかってるんだろうな。
ま、私には縁のない世界だけれど。。。
(すっかり忘れてたけど、これは読み直したんでした。。過去に紹介済みでしたね、すみません)
希望の資本論(池上彰× 佐藤優) amazon→
2000年代後半あたりから、働く同年代女性の中で頻発した会話。「最近の若い人は叱責すると泣く。そして無断欠勤&突然辞職という方法で、会社や上司へ報復する」。実際のところ辞められた会社は痛くも痒くもないんだけど、叱責した当人の心を折るぐらいの威力はあって、こういう話題が出るたびに「日本はどうなっちゃったんだろうね」と、みんなで暗い気分になった。
うちの採用は私が決めるので、若い人をボヤく機会はなかったけど、サラリーマンの中堅職は大変そうだった。指導における言い方や、やり方を論じることすらできない軟弱地盤のビジネス現場。この傾向はもう指導する側の個々人の努力では止められないかもしれない、という悲観が、諦観に替わったころパンデミックに突入したような感じでした。
お金を稼ぐということの意味とその覚悟は誰にでも必要なことだと思う。
不道徳教育講座 三島由紀夫 amazon→
この時代の日本の空気感を想像しながらじゃないと読み進められないいびつさがあって、予想外に疲れる本。でも明治維新からこっち、大正や昭和の前半に日本に満ちていたエネルギーの一部はこんな感じだったんだろうなぁ。石原慎太郎と仲が良かったような印象があるけど、内容を読むとなるほど納得。こんな下世話で陽気なおじさんがなぜ自決したのか、と思う反面、随所に神経質なまでのこだわりを感じる。
自分だったら、三島由紀夫は友達にはならないタイプだなぁ。まぁ、あちらも私以上にそう思うだろうけど。社会に出たころに居た「偉い人」はみんなこんな感じで、この年になって思い返してみても、やっぱり好きになれんな。むしろ、この人たちとはそりが合わなかったビジネスマン達は、この時代をどう生きていたんだろうか。