2007年あたりから肌の乾燥が気になって、某アスタキサンチンの通販化粧品を使い始めた。結果的に10年以上は使ったと思う。
ウェブで購入すると安くなるし、期間を設定しておけば使い切るころに新品が送られてくる機能まである。スキンケア品って、急に「無くなった!」って慌てることありますよね?そのメーカーは、当時まだ珍しかったネットでの定期購入制度が用意されていて、計画的に設定さえすればネットだけで用が足りた。買いに行く時間がない人にはすごく便利で、このシステムが評価されればウェブ業界にとってもプラスになるだろうなぁ、と感じながら利用していた。
で、スキンケアに使う6~8品をここにまとめたらあっという間に年間利用額が最上位ランクに。購入費は優遇されサンプルやら現品プレゼントなどがじゃんじゃん送られてくる。それと一緒に「たくさんお金を使ってくれているアナタだから大事にしていますよ」と言いたげな高級風なデザインだけど内容が薄くてダサい印刷物も届く。そして必ず「お客様の声をお寄せください」というハガキもセットで。
何か意見をください、というのはセンスがないよなぁ。「何でも言って」っていう人に限って言い返して来るものだし。知恵のある人はもっと投げかけに工夫するものだし。
おおかた予算欲しさの広告代理店あたりの企画にのったんだろうなぁ、「セールスプロモーション」はビジネスの全体像を見て考えないとちぐはぐになり、それで戸惑うのはユーザーなんだよね、と思いながら毎回棄てていたところ「意見ください」ハガキに自分の住所と名前が印字されて届いていることに気付いた。えっ!?これじゃゴミに名前書いて棄てているようなもんじゃん!
猫がひっかかりでもしたら怖いからシュレッダーは使わないし、いちいち手でビリビリに破るのは結構大変で、立派なパンフレットだと紙厚やアト加工があるので軍手をはめて破っている。宛名のマドがプラスチックだと分別したりで、毎年届くのを毎年より分けて破っているうちに、だんだん腹が立ってきて、フト気になっていたことを書いて送ってみた。「洗顔料のチューブが、使いきったつもりでも内容物がかなり残っているのが不満」「中味がきれいに滑り落ちる素材に替えられないのか」と。頭のなかにはマヨネーズの容器を想像しながら。
ここのチューブ品はきっと材料費が安いんだろうけど素材が肉厚で、外からしごいても、フカフカして力が伝わらない。いつも使い切ったと思って捨てていたけど、キャップをはずして内部を覗いてみるとけっこうな量がまだこびりついている。はさみで真ん中から切ると朝晩の使用で1週間以上たっぷり使えた。幾度となく棄ててきてもったいなかった。この会社が「レフィル」と呼ぶものも単にデカい外容器を付け足すデザインだったりして、そのダサさも気になっていた。
ビンのラベルがぺろりと剥がせる調味料や、本当に手で切れる詰め替えパウチなどは感動する。細かいところにちゃんと気づいてくれている繊細な企業姿勢がたまらなく好きだ。迷った時にはそういう企業の商品を買う。そこのスキンケア品も、定期購入で長らくお安くしてもらったヘビーユーザーだから今こそ使用者の実感を提言してお役に立つときでしょう!という気になったのは事実で、意気揚々と投函し、そのことをすっかり忘れたころ、宛名が手書きされた封書が自宅に届いた。メーカーの社名と、研究所の所属らしい個人名が書いてある。
内容をかいつまんで書くと「いただいたご指摘には対応できない。だからキャップを外して指でほじって出してほしい。あなたの手が入るぐらいフタの円径を大きく作ってある。しかし指を入れるのは衛生上よろしくないので、最後の1回ぐらいに留めてほしい」というもので、フタの図解入り。どんな心配だよ。指を入れるのも、その指で顔を洗うのも私なんだけど。その手紙の2枚目にやっと「そうはいってもあなたは改善してくださいというご意見なのだから、考えてみます」とあった。何だろう、この回答の、読後の不快感は。
私は、研究所の担当者に改善指示を出したのではなく「いつもありがとう」というDMをくれたメーカー企業へ消費者として返送しただけ。それに「返事」って書くものなの?聞いたことないんだけど。仮にこれからの時代は書くものだとしても「貴重なご意見ありがとうございました。今後の商品開発に活かします」っていうハガキ1枚に5%引もあればそれでよくない?
そもそも、プロダクツメーカーの社員が個人名でユーザーの住所に(手書きで)封書を出すって、どういうことなんだろう。情報管理、大丈夫なの?という不信感も。
どーなってんの?世の中?とおもう出来事でありました。