うちわを配った大臣の答弁は、やりとりの温度差だけが画面から伝わってきていた。
彼女には真意を発表する気がなさそうだし、言われるほど問題だとも思っていなさそうなところが透けて見える。
過去代々のオジサン連中も似たようなものだけど、それよりも「スケ感」が強いように見えるのは、私が同じ女性だからだろうか。
小渕さんは親の地盤をついでいるから、良くも悪くも彼女の回りを取り囲むメンバーが「こなれた経験者」なんだろうね。彼女本人の了承を得なくても充分回っていたわけで、その点においては彼女は気の毒だと思う。
問題なのはきっと「自分が判断・指示しなくても充分回せる環境」であることに彼女自身が気づいてなかったことの方で、もしかしたら自分の実力なのかも?と勘違いした面もあったんだろうな。だから自分の顔写真をプリントしたワインを平気で配っちゃうんだろうな。
そもそも「女だから」という理由で起用する安倍首相が安易なんだ。他にも当選回数とか仕事の経験とかいろんな基準があるんだろうけど、きっと決め手は「女だから」だったんだとおもう。そのように見えてしまう。実際はどうであれ。
私も34歳で起業して、若いし女だし珍しいってことで「アピールの切り口がいっぱいあるのに、どうして売り出さないの?」って言われることよくありました。でも違うんだよね。
女ですから、で手に入るチャンスは、所詮、女ですから、で切られるというか、失うんだよね。
手に入れたい何かのために、女性であることを売りにしたところで、しょせん「女性であるから」でしかない。
「きっかけにさえなれば、あとは深く食い込むための努力をすればいい。もっと軽く考えれば。」そういうのもよく聞かされたけど、その「きっかけだけ」のために、わざわざ、普段しまってる「女性」を出したくないんだよね。
昔はビジネスの場で嫌な思いも散々してきたんだから。
だから使えって?
だから使いたくないんだよ。これ、分からない人も多いけどね。
でも、管理職に女性を増やすという考え自体は、いまの働く女性にとって「待ってました」の追い風感、あるんだと思う。
私の叔母が今春還暦を迎えて定年退職し関連会社へ移ったけれど、この秋、突然打診が来て別の企業へメデタク現場復帰となった。管理職も人を育てた経験もあるから請われたんだと思うけど、オオーッ!こんなところにも安倍効果が?!と驚いた。でも同時にね、やっぱり人材不足なんだよね。急に思いついて始めたって、人がいないんだよ。現役ひっばるのはお金もかかるし本人の意向もあることだから、定年後を一本釣りしたんでしょうけどね。
定年退職者を一本釣りするのと、親の地盤をついだ人に大臣をさせるのが、今の日本では同じテイストなんだろうな。
そんな感覚で大臣まで決めちゃうから「こんなお姉ちゃんに経済大臣なんかやれるんかいなって思ってたんだよ」っていわれるんだよね(井筒監督がテレビでコメントしてた)。
どちらかというと、こういう一言の方が、本気でやってる人間にとってはダメージ大きいんだけどね。
(飯島)