10月は、なんだかドタバタ。
東京に来た時からの縁でもう20年近い付き合いの「東京のアニキ」が、15日に開店30周年のパーティを開くという。例によって会場撮影係も引き受けながら、渋谷にて昼からしこたま飲む。
気持ちが落ち着いたこともあり、健康診断(プチ人間ドック)の予約を入れたら何と年内に入るかどうか!という大盛況ぶり。
キャンセル空きが運よく手に入ったけど、よりによって昼酒の3日後の10月18日。最近お酒も抜けが悪いんだよなぁ、と悩みつつも、他の候補日を調べてもらうやりとりが面倒くさくなって決める。
胃バリウムだから、前日の夕食時間からあれこれと準備がいるため、仕事の片付けも計画的に。(それでも健康診断は1週間前ぐらいからいつも緊張)
健診を首尾よく乗り越えた週末は台風、選挙、そしてボクシングとにぎやかさも極みの中で、義父の3回忌があった。能登へ弾丸日帰りなので、当日は未明に起床、彼の家族と合流し羽田へ向かう。寝坊はもちろん、すっぴんも寝ぼけ顔もさらすわけにはいかず、かなり前から緊張していた。しかも太ったせいで喪服がきつくなったけど入るかしら。最近急に寒いけどお天気はどうかな。まっ黒のコートは無いし、雨用の靴で空港を歩くのはやだなと思っていたら、なんと現地の悪天候により前日に法事中止となった。
せわしない日々の中、ぽっかりと空いた21日は10年目の結婚記念日。夜オットと「東京のアニキ」の店へ食事に向かう。ここは私たちの結婚式の二次会でもお世話になった。ここで知り合った共通の友人・知人はたくさん。
私たちの挙式・披露宴に参列してくれた店主は、そのまま二次会の貸し切り営業も行い、翌朝は始発で宮古島に仕入れに旅立つ予定だった。それじゃ寝る時間もないだろうと皆が店主に気づかい早めに解散したところ、閉店後の未明に隣家が火事となり、気の毒に店主は第一次発見者として高齢の御母様とと二人、消防を待つのももどかしくバケツリレーで鎮火まで頑張ったという。しかも消防車と野次馬には自分の家(店)が火事だと誤解され、一生懸命訂正したとか・・・・。
あまりにも面白おかしく話してくれるので、こんなエピソードはいったい誰が「持ってる」のかと、みんなで笑い転げたけど、もし隣家の火事が1日ずれて旅立ち後の出火だったとしたら・・・間違いなく自分の店も消失していただろう、というのはやはり「アニキ自身の運の良さ」だよね。あれからもう10年かぁ。そう、10年目は錫婚式。
わたしは錫のお猪口を使っているけれど、手になじむやわらかさを持ち、雑味を消すためお酒の味がストレートにわかる機能を持つ。すごくいい、おすすめです。
柔軟でやわらかいのは、つまり衝撃によわく曲がりやすいってこと。
雑味を消すということは、つまり緩衝することなくストレートに伝えるということ。
10年目は錫。この言わんとするところ、わかる。人類が紡いできた10年目という評価は、思うほど長くもないってことか。
呑みながら「俺たち、年齢的に50年の金婚式は無理だけど、せめて銀婚式まではお互い健康でがんばろうね、25年だよ!」と、およそ計画的な行動とは縁遠いオットが、なんと25年も先のことをニコニコと言い出した。
いつになくきっぱりとそう言われて、少し面喰いながら、「七賢」と「八面大王」をすすり、これから15年の健康を誓った記念日でありました。
参考:
七賢|山梨銘醸株式会社
八面大王|EH酒造(酔園銘醸)