もう一ヶ月ぐらい経ってしまったかな、、、シモキタにある隠れた名店を発見しました。
店の場所はかなりわかりにくいけど、外観は足元から天井までガラス張りの引き戸に、長くて白いのれんが下がっていて、明らかにモダン。入口には小さな行灯。カッコエエで。
内装は、これまた私の大好きなL字のローカウンター(テーブル席も1つ有)。奥行きゆったり、板さんの手元も良く見え、なかなかいいぞ、とウキウキ。
目についた茶器は波佐見焼で、ウン、これもいいなぁ。
ところが料理人らしき人は1名のみで、芸能人のように長身で顔は小さく、細身の銀髪青年。まるでバンドマンかジャニーズか。
接客をする女子はメガネの割烹着1名。(20151026追記:再度訪問したら、メガネはないし、白衣でありました。にんげんの記憶力ってやつは・・・)
とつとつと説明してくれるお店のシステムは「メニューは一応あるけど、5品のお任せコースをすすめている」「アラカルトも受けられるが時間がかかる」「お酒は、料理とお客様の好みに合わせて店主が選ぶ」ということで、メニューを見れば「日本酒 冷 燗」しかない。「ワイン 赤 白」とか。とっさに思ったのは、あぁ・・・頑固な鮨屋系か。私はこういうところに嫌われるんだよなぁ。面倒くさい予感・・・。と思いつつ、初めての店で何を食べるかいろいろ考えるのも厄介なので、5品のお任せの中に仕事の都合でどうしても食べたい希望の1品をいれてもらうことでオーダー。
このブログでは語りそびれてますが、私は「大の」日本酒党。日本酒が苦手というかなりの女子達に、私のチョイスなら呑めると言わせしめた(笑)実力派であります。特に好みは「純米酒」(いわゆる「アル添」は全くダメ。苦手。)大吟醸なんかも素敵だけど、私は野趣あふれ、うまみたっぷりの純米酒にガツンとしたつまみをいただくのが最高の愉しみ!
そして、グラスだと飲み進むうちに食べ物の味が混ざるのが嫌なので、徳利&猪口でお願いしてじっと待つ。最初の日本酒。どん!どん!どん!と一升瓶が3本でて、そのうちの一つが「風の森(奈良)」。以前、渋谷の「食幹」で「隆(神奈川)」が奥から出てきてビックリしたんだけど、このテの特に生原酒はかなり好きなので、ちょっと安心しつつ1種お願いして料理を待つ。
食べたのは(お料理の名称はチョット曖昧)
1)ごま豆腐の茶碗蒸し
2)カワハギ刺しと肝(鮮度もそこそこ悪くない→釣り人基準)
3)イチジクとマスカルポーネチーズの生ハム茶巾
4)何かのお肉の低温煮(忘れた!)
5)鴨ロースとひじきの焼きリゾット
何かもう少し飲みたいのでおかわりで一品頼む
6)おひたしの柚子胡椒ジュレ
お料理が変わるたびに、合うお酒に変える。どん!どん!と一升瓶が出てきて、また選ぶ。呑み進むたびに好みをわかってもらえたようで、後半は選択肢が消え「ハイ、これで」と決め打ちになっていった。
酔っぱらうと呑んだお酒を忘れるので、店の様子によっては写真を撮らせてもらうんだけど、SNS投稿用だと思われると「いい大人がみっともない」という気持ちが先走り、遠慮してしまう。。(そして何を呑んだか忘れる。。)
でも、どのお料理にも独創性と力があって、日本酒もかなり上手にあわせていて、実に素晴らしい。お料理の味わいが、お酒とまじりあって、深く広がっていくようなセレクトになっている。本当にエライ!だいたい私は世間でよく言う「辛口の日本酒」は惜しいと感じているし、刺身やナマモノには白ワインよりも「旨口どっしり」の日本酒が合うという考えなのだ!(白ワイン、生臭くなるの多いよ!)
そしてまた食器の数々が私の機微にふれる。。。店主が「かわいい食器たち」と口走る気持ちがわかるし、わたしはどれも好きだった。伊万里焼の華やかなお皿が多かったけど、備前かな?と思わせる渋くて力のあるプレート(後日二階堂明弘氏の益子焼と判明)に鴨がのっていたり、あえて無国籍な感じに仕立てているように思えた。普通に見ればザ・和食なのだけれども。。。
天草のご出身らしく、そうか、九州だからなのね、と納得。
そして出てきた東一。九州の窯元巡りの旅で見た、嬉野の田んぼを思い出す。また行きたいなぁ~。ホテルの夕食で薦めていただいた武雄の地酒も美味でした。
初めて呑んだこの「六十餘洲(ろくじゅうよしゅう)」。おいしかったー(もうそれしか覚えてないけど、激しい手ブレが物語っている)
焼酎で一休みしようとしたら、なんと私の忘れられない焼酎ベストスリーに入る「川崎(宮崎)」の、別銘柄の焼酎を発見。
(でもやはり川崎が好きかな。。)
もう1から10まで良かった。
だからこそ言うが、お酒を替えるたびに、お猪口も新しいのに変えてほしかったー!(最後まで1個を使いまわす)
錫のマイお猪口を持参して、ぜひ日本酒好きなクライアントをお連れしたいなぁ。
でも、ワタシ独りでもまた行きたい!