30代から始まった、不健康な私との闘い。
20代、30代は食事も帰宅も睡眠も仕事の波にあわせていたの、生活のリズムがデタラメでいつも便秘に悩まされていた。便秘がひどい人は口から嘔吐する場合もあるらしいけれど、私は「そこまでひどくない」と安心しつつ、しかし「1週間ぐらい出ない」のは日常のことだった。
勤めて3年目あたりのころ「軽く2週間以上は出てない」という、冬の通勤時の朝のこと。猛烈な腹痛に襲われバスを途中下車、切羽詰まって準備中のクリーニング屋さんのトイレに駆け込んだ。開けてくれた人の姿は全く記憶にない。その後トイレを出ても腹痛が全くおさまらず、トイレに引き返す。出てきてもまだ痛いので、また引き返す。おそらく小一時間はそこのトイレを出たり入ったりしていた。それでもおさまらず、開店前の店内で、腹痛のためにお腹をかかえ膝をつきうずくまる私。真冬なのに汗だくで、頬のひんやりした感触で、店内の床がビニールカーペットだったことを覚えている。痛みをこらえてのたうち回る私に困り果てた店の人は「あなた盲腸じゃないの？」と言い救急車を呼んでくれた。担架に乗せられ外に出たら、お店の人が開店前の雪かきをしていてお礼も言えなかった。救急車のなかで鉛のようなずっしりと重くて温かい毛布に体を固定されてなぜか安心したことを覚えている。病院に着くころにはケロッと治っており、人騒がせだと母にさんざん叱られ、便秘が原因だったとは恥ずかしくて人に言えなかった。
それが30歳を過ぎてまたやってきた。生理不順とセットで、何回かに一度猛烈な腹痛が起きる。おそらく出血量がすごく増えた時期で、子宮筋腫とも関係してると思う。生理前にすごくお腹が張る感じがあり便秘がすすみ、生理初日の大量出血とともに腸が刺激を受けるのか猛烈な下痢がやってくる。毎回、昔の「便秘で救急車」が頭をよぎる。これが私の事情にお構いなしに突然やってくる。外出先だろうが通勤途中だろうが「ヤバい、あれだ」と気付く時は、もうトイレを探して駆け込む時間しか残されていない。これが本当に辛いんだけど、だんだん回を重ねるにつれて酷さが増すようになる。
生理と下痢、ほぼ同時なので、どちらが先か正直判らない。ただ、東京の真夏の電車は冷房の風が直接当たる場所もあり大警戒だ。からだが急激に冷えることでぎゅーっとねじれるような激痛が始まる。トイレにかけこみ、おそらく便秘のせいで大量の水分を一気に排泄したことに気づき、便座に座ったまま呆然とする。ここからだ。
時を同じくしてムカムカと吐き気がこみあげ、目がまわり焦点が合わなくなり、頭がしびれて、滝のように汗がふき出す。肌にあたる着衣がぞわぞわと気持ち悪くなり、脱ぎだすと体が火照るのにゾクゾクと寒気がして、全身の力が抜ける。トイレに座ったまま足首を抱えるようにぺたりと体を折りたたんで、もう起き上がれない。呼吸も荒くなり、大きなため息とかすかなうなり声が漏れるらしく、乱れた呼気といっしょに口から出てしまうけど、意識が遠のいてどのくらいの音量を発声しているか自分でもわからない。この一連のことが始まってから治まるまで、1時間半はかかる。トイレの個室にこもるので外から心配され声をかけられるんだけれど、返事の声も出ない。
（2019年付記：どうやらこれは「血管性迷走神経反射」というもののようでした）
オットは小一時間後に血の気が引いた顔でよれよれとトイレから出てくる私の姿を見ていつも絶句する。でも姉に話しても爆笑されておわり。病気じゃないから諦めるしかないと思っていた。でもネットで検索して後から知ったが人間は急激に大量に排泄すると、血液や体液に含まれる水分も一緒に減って血圧が急激に下がり、それを「排便失神」とか「排便ショック」とか言うらしい。
私はこの時期、病名のつかない不調だらけで、どの医療従事者と話しても「原因はストレス。不規則な生活。治療方法はない」と言われ続けた。
生理不順も便秘も原因のどこかに「ストレスと不摂生」があるんだそうだ。私は同時に乗り物酔いが生じて、こういう体調の時は15分で着く場所でも1回の乗車で到着できなかった。更年期かと思ったが、やはり「ストレスが生む様々な不調」この一言に尽きるらしい。
これに加えて肩こり、腰痛持ちで、ギックリ腰の予備群。。。
解決の糸口はここにあった。2006年当時西荻窪に岩盤浴の店ができて会員になり、ワラにもすがる思いで通い体を温めながらその良さに気づいた。数年後、ホットヨガなるものを知り、通い始めたのが今のLAVA。当時お店から配布された冊子には、そこの社長（男性）がやはり体調不良に悩まされ、健康を手に入れるために何年も試行錯誤をくり返して体を温めて改善したコラムが載っていた。それを読んで私も！と一念発起したことを覚えている。ホットヨガはすごくよかったです。特に2007年ごろのLAVAは、最高に良かった。。
