先日お得意様先での取材前、早めに訪問して担当者さんとランチを共にしました。カウンターに並んで美味しい和食をいただいたのですが、反対側の隣に座ったおじいさんの狭さに気遣って、食事途中で椅子だけ少し横にずれてあげたのが災いして、腰を痛めてしまいました。
食事中は腰の負担に全く気づかず、席を立ち会計を済ませ、ビルの外に出てしばらく歩いたら、どうも腰が痛い。ちょっとしびれるなぁぐらいにしか考えずに歩き続けてみても、痛みは秒単位で強くなっていき、急にがくんと歩調が落ちてしまう。横で一緒に歩いている方も異変に気づき、おや?という顔をし始める。何とかごまかそうとするが、気持ちとは裏腹に、体はどんどん動きにくくなる。。折り悪く道路の向こうへ渡りたい信号がチカチカするけど、その時にはもう背を伸ばして歩くのが精一杯になってしまっており、うっかり駆け出したらその瞬間に足がもつれて顔から転びそうだ。
これはのっぴきならないぞと覚悟し「どうも腰が痛い」と告白するが、既に自分はよちよち歩きでしか進んでいないことに気づく。そこから100メートルも歩いたかなぁ。人間の進化の図を逆に行くよたよた感で、先方のオフィスへなんとか辿り着くものの、背もたれのあるロビーの椅子に倒れ込み、もうダメ。もう明らかに無理。先方は「きっと疲れがたまっていたんでしょう」と気遣ってくれるけど、その一言すら完全にウワの空で、悪化することしか浮かんでこない。と同時に今日のこの仕事をどうするか、で頭がいっぱいになる。
この状態で仕事はもう完全に無理、と思いながらも、動かない体をそれなりに自然に動かすことでごまかそうとあがく自分もいる。自己格闘のうちに到着したうちの若手社員へは要点を伝えながら、もう自分は帰るつもりでいることに気づき、腹も決まった。何しに来たのか分からないけど、もうそんなこともどうでもいい。そして撮影に来てもらったカメラマンに挨拶しようにも椅子から立ち上がれない。どころか、座っていても上体も曲がらない。取材部屋への螺旋階段も上がれないし、笑顔も消えた。
こうなってくるとその場に居ることが邪魔以外のナニモノでもない。場所はお得意様の本社ロビーであり、ゴロゴロしてるわけにもいかない。思いつく限りの指示をカメラマンに出し、お詫びをして、そそくさと退散したいところだが、敷地を出るにも四つん這いで動く自信しか残っていない。しかしそれはまずい。体がいう事をきいてくれない。へどもどしながら敷地の外に出るのに全ての体力を使い果たして、通りがかったタクシーになだれ込む。あーあ。やっちまった。完全にヘルニアだ!!!
そのタクシーのなかでも座っていられず、アスファルトの振動がいちいち腰に来る。横になると酔いそうで、地獄だった。
翌朝時間を作って病院に行ったところ、どうやらお尻の左側のほっぺたの部分のスジがビシビシに凝っていて、そこをかばった結果が「腰への負担」となり、「半身ヘルニアとも呼べる、ぎっくり腰」になったのでしょう、そんなお見立てでした。
やっぱりあのカウンターに座っての小一時間に体が傾いていたことが原因だったなぁ。
時は月末、休める余裕のないワタクシは、月曜から水曜まで友人の車に朝晩と送迎されて通勤しています。文字通りの重役出勤ですわ。
腰が痛いと、動くのもつらいが、じっとしているのもつらい。
こんな時ぐらい家でゆっくり休んだらどうかと進言され、実はかなりそそられました。よく考えたら今年に入ってからは、1日ゆっくり休んだ覚えがないしなぁ。
とはいえ「こんな体じゃどうせ寝てる以外は何もできないんだし、頭は通常通り働くんだから寝るのも惜しいし、時間がもったいないから仕事に行くわ」と言ったら「いろんな考え方がありますね」と言われてしまった。
第一、ギックリ腰で休暇なんて、言うのも恥ずかしいしね!!
今年の記録的な体調不良に落ち込んでいたのですが、思わず「寝てるぐらいなら働く方がマシ」と答えた自分にひとすじの希望を感じたのでありました。
まだまだいけそうね、私。