品川庄司の庄司君のお腹からアニサキスが8匹も出てきたというニュースを聞き、バケモノかとひとり驚愕していたある日の午後。
会社あてに「被害に遭った人を探しているんですが、取材を受けてもらえませんか」と一本の電話が。
私:「は?!私が?」
ディレクター:「ハイ、ブログを読みまして」
私:「あぁ~・・・・・。あれね。あれ、アクセス多いんだよね。実は」
デ:「どのくらい痛かったかとか、ちょっと喋ってくれればいいんですけど」
私:「だいぶ前の話だから、そんなに細かく覚えてないけど、、、」
といいつつ、我ながらお人よしというか、断る理由もなく、、、、。
しかも番組名を聞けば、週末のビートたけしと安住アナの報道番組だというし。それを聞いて、エェ~!とすっかり舞い上がってしまった。じつは18歳の頃ビートたけしの詩集を読み心をうたれて以来、彼の言動は私の人生に大きく作用している。そして安住さんは遠慮のない喋りが道産子らしくて同郷としては好感。うん、協力するのも面白そうだし、これが他人様の役に立つなら、まぁいいか。という感じで話はトントンと進み、会社へ取材に来ました。
私:「顔出ますか?」
デ:「良ければ、出してほしいのですが」
私:「うーん。やめとこう。仕事で請われるならともかく、こんなことで嬉々として喋ってる姿は充分にバカっぽいしなぁ」
私:「顔ボカすんですか?」
デ:「いえ、顔を避けて、手元を撮ります」
私:「声もそのまま出るの?」
デ:「え?出ますよ。声は替える必要ないでしょ。犯罪者じゃないんだから」
私:(それもそうか、虫ぐらいで。)
放送前日、不確定ながらも「オンエア確率7割です」と連絡があって「名前と年齢を出してもいいですか?」と。
「私の正確な名前と年齢って、この話に要らなくない?」としつつも、いまさら名前ぐらいいいや、年齢も事実だし、とOK。実際のところは出ずに済みました。
後日、友人知人に聞いたところによると、わりと皆さんあの番組を見ていて、私が被害に遭ったということまで思い出しながら見ていたようです。でも、誰も私だとは気づきませんでした。
もう少し自慢できる内容で出たかった気もしますが、ある意味、私らしいな。しっかし、自分の人生にこんなことが起きるとはねぇ~。面白かった!
単身でやってきて、カメラを回し、打合せとインタビューをこなすディレクターを目の当たりにすると、こりぁ~カメラマンの仕事もへるわなぁ、と実感。インタビューに参加しただけで、番組を作っている臨場感は充分感じ取れた。余白に困ることがないwebサイトや印刷物とは違って、テレビは空白秒を作るわけにいかないから大雑把でありながら緻密さも必要なのね。同じ編集作業でも緊張感が異なり、新鮮で面白かった。素材をコツコツ積み上げていく取材には、足したり削ったりの繰り返しで混乱もあるはずだろうけれど、近年会話も通じない若者にしか出会ってこなかったせいか「なんだ。マトモな若者、いるじゃんか!」とこれも嬉しく感じた取材体験でありました。