企業役員の「失言の軽さ」に気づくこと

アクセス集計ツールのGAが来年にはGA4に変わるために、最近あれやこれやとアクセスデータを眺めて学習しています。とりとめのない私の長文ブログは“バズる”ほど世間からの関心は得られませんが、それでも見に来てくださる方がいてありがたいと思っています。いままで書いたことはありませんでしたがこの場を借りて御礼申し上げます、ありがとうございます。

どうしてこのサイトに来たのか、どれを読んで何を感じたのか、聞いてみたいところですが、その仕掛けを作るのは大変に面倒なので止めておきます。

吉野家の「キムスメをシャブヅケに・・・」ってやつ、ビックリしたね～。ありゃバカだね。
「ちょっと派手な広告展開を行った企業の役員が、鼻息荒くマーケティングを語る」ってのが定番のようだけど、あんな雇われ役員が給料もらって会社の予算でやったことの話を、参加費を30万円も払って聞く価値あるのかね。日本はそういう風土じゃないよ、少なくとも今のおっさん世代はね。「アントレプレナーになりたい人達の気分をくすぐりたい業界」はほんと気持ち悪い。あと、雇用保険には教育訓練給付制度というのがあって、給付上限が30万円だからのせいか、社会人セミナーにはなにかと「受講費30万円也」が多いんだよね。この金額を聞いただけで、もうエセ臭さを感じる。まぁ私のような「雇用主」には給付されないから、あんな講義を聞きに行くことなんか死ぬまでないだろうけど。

吉野家といえば1990年に顧客のファミレスからランチタイムのチラシデザイン校正の打ち合わせで「うまい。安い。早い。ってコピー入れてよ。吉野家みたいにさ」と言われたね。担当者が「順番は、安い。うまい。早い。かな？どの順番が正解なの？飯島さん、調べてきてよ」ケッ、くっだらねぇ、と20歳の私は言わなかったけど、「注文したら早い！」「食べたらうまい！」「お金を払ったら安い！」つまり「早い、うまい、安い」が正解らしいですよって調べて説明したよ。アホか私も。

その10年後、東京で働いていた時の某食品企業から「安全」「安心」の記載順で何度も行ったり来たりの赤字校正をもらって、この吉野家話の既視感つよかったね～。「安全だから、安心」というのが腑に落ちたけど、このキーワードは流行ったのでいろんな食品系顧客先で話題に出ていて「まず（先に言うべき）は安心だよね」と力説するおじさんも多かった。会社によって180度違うのがホント不思議。どっちでもいいんだけど。いま世間にいる役職者の大半は、疑問にすら思ってないだろうけど。

ブログの更新が近年減ったのは、年始のあいさつで少し触れたけど（2022年は、やったるで～！）時代の変化を受け止めて咀嚼してみたら、あまりにも私自身の思考の方向が変わったから。いや、地が出てきた？のかもしれないけど。でもその変化を書き表すことにいささかためらうのは、アイデアパンチは私を投影した「法人」だからだと思う。

私個人は広告製作とweb製作を生業にして30年。行ってきた企画やデザインは、マーケティングという情報ベースの上に思考や表現を組み立てたもの。客体のために、第三者からの視点を想像する作業で「他人が、別の他人から見てどう思われるか」ただそれだけを考えて30年も経った。四六時中、年がら年中、他人と他社のことを考えてきた。それが身に沁みついているのが、今の私の価値。

思考の変化、つまりピンとくる世界観があまりに変わると、整合性が取れるまでは言葉にしにくいけれど、感じることを書き記すことが私の義務というか、小さいながらも社会に果たせる責任なんじゃないかと思えるところまでやっと咀嚼できてきました。近々（時間ができたら）このブログをリニューアルしようかな、と思っています。

はっきりしてるのは、キムスメを・・・って喋ってクビになれる人は、じつは気楽な立場なんよ。クビってのは「責任が取れない人」にしか起こりえないから。