とれる責任とは何か、を見極めよう

 

数年ぶりに友人と逢ったとき、職場でオーナーチェンジがあり若手の新経営者がやってきて「昔ながらの個人商店」から現代の企業への変換に直面しているという話を聞いた。従業員と雇用契約書すら交わしていない組織だったようで、そこに疑問を持たずにきたスタッフたちの意識改革をはじめ、経営者のがんばりだけで新しい風を民主的に吹かせるのは難しいだろうな、とご苦労のほうが頭をよぎった。意識改革は知恵がまわるスタッフが現場側で協力しないと難しいが、できる人が少ない。だから今の日本には「トップダウン」という名のもとの「パワハラ組織の集大成」がたくさんある。しかし、その改革心に燃えた若き新オーナーに見込まれポストを提示された友人は、その場で断ったという。理由を聞くと「責任をとりたくないから」。もったいないなぁ!で話は終わったが、帰宅してふと「責任」って具体的に何のことを言ってたんだろう?と疑問に思った。

 

私は人生で二度「社長をやらないか」と誘われたことがあり、その一つは勤めていた小さな会社だった。先輩がどんどん辞めていくし、オーナーが別にいるし、計上する売上のかなりを私が担っていたし、他に人がいないし、女の社長は珍しいし、という程度の話だった。しかし人の上に立つならまだしも社長ってのは不気味で、さすがに親に相談したところ、父は私が驚くほど真剣に考えて誤解がないようにと手紙をよこしてきた。結論は「丁寧に辞退」。手紙には、リーダーや部門長という話ならば、もし組織側の期待に応えられない結果になっても命まではとられないだろう。最悪の事態が起きたとしても従業員でさえあれば、事業の損金を払えとも言われないだろう。経営とはつまるところお金であり、努力と根性だけでとれる責任はない。もし将来、自分が心底惚れ込むような魅力ある人物と出会った時にそのような話が来たら、その時こそ考えてみたらどうだ、というようなことが書かれていた。しかしその後、正月休みを一日余分に取得したことでオーナーの逆鱗に触れその会社をクビになった。人が足りず名義だけ使われていたようで「役員は取締役会で解任できるから」という理屈のもと「武士の情けで退職日は自分で決めさせてやる」と言われ、こんな会社のために誰が身を粉にしてまで働くものか、とさっさと辞めたが、ハローワークへ行ったところ過去にさかのぼって雇用保険を外されたという笑えないオマケもついてきた。

 

こんな“組織”は論外だけれど、昇格や配置転換が到来したのに蹴って退職した話をよく耳にする。同じことを何十年もやり続けてギャラがもらえるほど甘い時代ではないし、後進に譲るという発想は必要だ。責任を複数で背負えるのが組織のメリットなのだし、負えない責任もある、というのは経営層の方が経験的に分かっているはず。せめて受諾する条件を考えて交渉するぐらいの逞しさがあってもいいのではないか。デービッド・アトキンソン氏が「中小企業は生産性が低い」と指摘するが、私はそう思わない。日本はチームワークはいいけれど、責任の範囲を明確にすることが下手なのだ。だからひとたび不都合が生じると「辞めて終わり」で何も解決しない。
生きている限り、次のステージに入らねばならない時が来る。世の中にはやってみないとわからないことも多い。同じ景色でも、見方を変えれば美しく見える日が来るかもしれないよ。

 

このコラムは・・・

いまは年代によって直面している現実がまるで違う、大変な時代。この現実を乗り越えようと頑張って働く皆さまへ。
ちょっとやわらかくすれば飲みこみやすくなるかもね、という気持ちを込めて書いてます。誰かの、何かの、お役に立てれば。

コラム一覧にもどる
アイデアパンチって?

スポンサーリンク
スポンサーリンク
オリジナル牛模様デザイン【職人による手染め】手ぬぐい

東京/浅草の手捺染(てなせん)職人による1枚1枚手染めの、綿100%手ぬぐいです
手ぬぐいはハンカチより大きいから、真夏でもいつもさっぱりした面で汗が拭けるし
長さ1メートルのロングサイズだから頭にも巻きやすい!
★アイロンも不要!
★ほつれは数回のお洗濯で止まります!
★お土産やプレゼントにもぜひどうぞ!
★学校行事や、調理室での三角巾替わりにも!
1枚 2,100円(送料/消費税別)
※購入枚数が多い方、金額ご相談に応じます。
※オリジナルデザインも作れます!

この記事が気に入ったら
ほかのもぜひ読んでね

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

過去の投稿から