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マネジメントは必要か

 タレントが事務所を退社、独立というニュースが続いている。「マネジメント契約終了」の「マネジメント」って何でしょうか。ざっくり言うと、本人や芸の価値を上げるために積ませる経験と方向性を吟味して、そのプロセスを具体的にしていくもの、かな。でもこれが商売でもあるので難しい。今回はCMと起用タレントという、ふつうは五分五分になるはずの関係について書いてみる。 

うまいマネジメントが功を奏して双方得したなと最近思ったのは「ユニクロ」と綾瀬はるか。ユニクロは安くて丈夫な日常着メーカーだけどグローバル企業でもあって、ハイブランドのデザイナーを毎年起用し、ユーザー層もかなり広い。綾瀬はるかは清潔感があるけど普通の美人すぎて、一般人と並べてもそのすごさがわかりにくいが、西洋人のモデルも幅広く起用した平均値の高い環境に混ぜると「日本の清楚な美人」という底力が強く伝わってくる。「日常着」の印象も引き上げられ、プレーンなデニムが素敵に見えた。ひとつ前の深キョンは美脚パンツの色とサイズ感が「深田恭子をもってしてもこのダサさ」にしか見えず、本当に可哀想だった。撮影現場というのは独特の緊張感があって、たとえば有名シェフが簡単な手順に工夫した料理でも、仕上がり写真だけゴテゴテと飾って別撮りするような担当者がいるようなことが起きやすく、ディレクターが機能しないとあっさり事故物件になるからこわい。起用したサザンの曲もかつてのドラマ主題歌で映像の印象がついており、この“二次販売”もうまい。

 企業のほうがややトクした例は、ネット印刷の「ラクスル」。くるっと回ってカメラを見るだけの女性にインパクトがあって、いい新人を見つけてくるなぁと感心していたら、その後のん(能年玲奈)とわかった。彼女にはいろいろ事情がありそうだけど「安いうまい早い」をサラッと言って、安っぽく聞こえないところがすごい。まさにコスパのいい起用。逆にタレントが損して見えたのは「楽天モバイル」の米倉涼子。「楽天モバイル♪」というサウンドロゴは当初スペインのおばさんが力強く叫んでいる感じで、あか抜けていて、おそらく本人の声ですごくかっこよかったのに、あっという間に活舌のいいダサいバージョンに変わっていた。楽天だなぁ。美しくてはつらつとした彼女がただそのまま出ているだけのCMで彼女がもったいない。もしも私が米倉側のスタッフだったらあの仕事は断ったかも。

どういう仕事を選ぶかが「マネジメント」で、どう表現されるかが「ディレクション」。

制作側は広告プランを必ず複数出すので、どれを選ぶかで伝える内容の価値が変わる。「おしゃれなA案」「従来路線のB案」「ヒネったC案」の提案に対し「A案をB案風にやってくれ」などと回答するスポンサーは泥沼だ。提案は受ける企業側にも吟味する力量が要るし、その覚悟がない企画は、中途半端さがちゃーんと漏れ出るようになっている。
話は逸れたが、仕事を選ぶ、スタッフを選ぶ、というのはマネジメントの一環で、タレントに限らず誰にとっても重要なこと。それを自力で考えるか、おせっかいな友人に聞くか、プロに考えてもらうかで手に入る結果も全然違う。まずは相談相手を選ぶこと、ですね。お困りの方はぜひ相談を。

 

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